シニアのネコ(11歳以上)

7歳を超えたら半年に1度の健康診断を

シニアのネコちゃん(11歳以上)ネコちゃんも人間と同様に、年をとるにつれ、様々な身体能力が次第に衰えていきます。飼主様にとっては、いつまでも可愛い子供のように見えても、ネコちゃんは人間の数倍の速さで年齢を重ねていくのです。老齢になるとネコちゃんの行動もこれまでとは違う変化をしていきます。シニアのネコちゃんとの過ごし方を知っていただき、これまで以上に楽しい生活を過ごしてください。
このページでは11歳以上のネコちゃんとの暮らしで気を付けていただきたいことを記載しています。基本的な予防や病気については、下記ののページをご覧ください。
» ネコちゃんの健康管理
» 10歳以下のネコちゃん

人とネコの年齢換算表(目安)

ネコ 1歳 2歳 3歳 4歳 5歳 6歳 7歳
人間 15歳 24歳 28歳 32歳 36歳 40歳 44歳
ネコ 8歳 9歳 10歳 11歳 12歳 13歳 14歳
人間 48歳 52歳 56歳 60歳 64歳 68歳 72歳
ネコ 15歳 16歳 17歳 18歳 19歳 20歳  
人間 76歳 80歳 84歳 88歳 92歳 96歳  

老化のサインに気づいてあげよう

部位別にみる老化のサイン
・視力が低下する
・目からの分泌物の色の変化
(白・黄色・血の混じったような茶色)
・耳の内部が汚れている
・呼んでも反応しないなど、聴力が低下している
・歯肉からの出血などの異常がある
・食事の際に食べ物を口からこぼす
・歯が抜けたり、口が臭ったりする
食事 ・水を飲む量が増加してきた
・食事の嗜好性が変化してきた
排泄物 ・糞便の色が変化してきた
・尿の回数や量が多くなってき
・尿の回数や量が少なくなってきた
被毛 ・被毛の状態が変化してきた(乾燥・ツヤが無い・フケ・脱毛)
生活
スタ
イル
・体重の減少がある
・寝る時間が長くなってきた
・物事への関心が低下してきた

シニアのネコちゃんへの当院の取組み

シニア動物全般に対応するシニア科を開設

シニアのネコちゃんへの当院の取組み当院ではシニアのネコちゃんに向けた取組みとして、シニア動物全般に向けた獣医療をご提供するシニア科を開設しています。シニア科では下記のように生活面のサポートから、獣医療面でのサポートまで幅広く対応させていただいております。
» シニア科の詳細はこちら

生活のサポート 病気・治療でのサポート
・ 生活スタイルのご相談
・ 食事管理のご相談
・ 一時預かり(デイケア)
・ 口腔ケアのご相談
・ シニアのネコちゃんに優しい
診療
病気の早期発見のための
定期検診
・ 負担の少ない検査
・ 負担の少ない治療
・ 負担の少ない手術
・ セカンドオピニオン

予防接種をしっかりと継続しましょう

毎年、3大予防(①ワクチン接種、②フィラリア予防、③ノミ・ダニ予防)をキッチリと継続しましょう。これらの予防はネコちゃんの健康の基本となります。
» 3大予防の詳細はこちら

シニア期の健康診断の重要性

ネコちゃんは症状や痛みを隠す動物です

シニア期の健康診断の重要性ネコちゃんは症状や痛みなどを隠す動物です。そのため、症状が出て来た時には既に病状が進行してしまっていることがよくあります。定期的に健康診断を受診していただくことで病気の早期発見ができます。定期的に健康診断を受診してください。

健康な時期の検査数値を把握しておきましょう

定期的に健康診断を受けておくと、健康な時期の検査数値を把握しておくことができます。教科書などに記載のある「標準的な検査数値の範囲」は存在しますが、動物個々でその正常値が異なります。健康時のデータを把握していればその子の適正範囲が分かりますので、異常があった場合にも安心です。

シニア特有の病気を見つける検査項目

健康診断では、身体検査はもちろん、血液検査やレントゲン検査、エコー検査などを組合わせて行っていきます。腎臓疾患、心臓疾患、腫瘍などの特に高齢期に多い病気でも血液検査で見つけることができるようになってきました。これらは麻酔などをかけることもないため、動物への負担も少なくて済みます。
定期的な検査を行ってあげましょう。

シニア期以降に考えたい健康診断

10歳以降のシニア期は年間2回程度の健康診断の受診をお勧めしています。シニア期では、体力の衰えとともに免疫も落ちてきますので、病気の早期発見が長生きには必須です。特にシニア期になると下記を組み合わせた健康診断をお勧めしています。 内容はネコちゃんの状態や飼主様のご要望に応じてカスタマイズしますので、診察時にご相談ください。

シニアのネコちゃんにお勧めの健康診断
・血液検査(血球検査、生化学検査、電解質検査)
・レントゲン検査(胸部・腹部)
・エコー検査
・尿検査
・便検査