CTによる画像診断
上本町どうぶつ病院CTセンター
CTについて
CT(コンピューター断層撮影法)とは、X線を利用することで、身体の中の輪切りの画像を得ることができる検査です。
レントゲンでは、平面の画像(2D)しか得ることができませんが、CTでは立体的な画像(3D)を得ることができます。さらにそのデータをもとに3D画像を作ることで、身体の状態を視覚的に立体にとらえ、より細かく情報を得ることが出来るようになります。
当院のCT検査の特徴
①最短即日で検査可能
従来は外部へ委託していたCT検査が院内で行えるようになりました。これにより、最短で即日の検査が可能になり、早期対応が出来るようになりました。
②無麻酔でのCT検査も可能
当院のCTはレントゲンと同程度の被ばく量にて撮影が可能です。これにより、通常は麻酔が必須であるCT検査を無麻酔でも撮影することが可能です。
正確な撮影には麻酔が欠かせませんが、高齢である・持病があるなどの麻酔リスクが高い場合でも、無麻酔でCT検査を行うことが可能です。
※ 正確な検査には麻酔は欠かせません。あくまでも動物の麻酔リスクを考慮する場合にのみ無麻酔で行います。ご了承ください。
CTで対応できること
①病気の発見・診断
CT検査で分かる病気は多岐にわたります。全身での腫瘍の状態や転移の確認、レントゲン検査や超音波検査ではハッキリしない胸腔・腹腔内の異常、椎間板ヘルニア、骨折など様々な病気の検査を行うことができます。
診断可能な病気 | |
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頭部 | 腫瘍、水頭症、鼻腔の異常、歯根の異常・歯科疾患、 内耳炎・外耳炎、脳障害、意識障害 など |
脊椎・脊髄 | 椎間板ヘルニア、腫瘍 など |
胸部 | 腫瘍、肺疾患 など |
腹部 | 腫瘍(各臓器)、門脈シャント、結石、 異物、腸閉塞、捻転 など |
②転移・病変の把握
お腹の中に「しこり」があった場合、従来は開腹手術で「しこり」を摘出し、病理検査で悪性・良性の判断を行っていました。もし、この「しこり」が悪性で既に他への転移があった場合には、手術自体を行わないという選択肢をとれたかもしれません。
手術前にCT検査を行うことで小さな転移を把握したり、腫瘍の悪性度も判断することもできるようになり、手術を行うか否かの判断も行いやすくなります。
③手術計画の立案
レントゲンやエコー画像では平面の画像しか取得できません。CT検査を行うことで体内の様子を立体的に3Dで捉えることができます。立体的に捉えることで、手術箇所の正確な状態や、血管の配置、隣接している臓器との状態などを術前に把握し、術式などをイメージすることができますので、より安全な手術計画の立案を行うことができます。
CT検査の注意点
CT検査を行う際は息を止めるなどの不動化が必要になります。動物の場合は人と異なり、不動化が困難なため、原則として全身麻酔下での検査となります。
無麻酔でのCT検査について
正確な撮影には麻酔が欠かせませんが、高齢である・持病があるなどの麻酔リスクが高い場合でも、無麻酔でCT検査を行うことが可能です。あくまでも動物の麻酔リスクを考慮する場合にのみ無麻酔で行います。ご了承ください。
①全身麻酔と術前検査について
全身麻酔を行うにあたっては動物が麻酔に耐えうるかを判断するために、麻酔前の術前検査(血液検査・レントゲン検査など)が必要になります。また、安全な麻酔のためにも絶飲絶食が必要となります。
②造影剤による副作用
正確な診断を行うため、造影剤を用いての検査を同時に行うことがあります。副作用の少ない造影剤を使用していますが、まれに、吐き気・かゆみなどの症状が出ることもあります。検査前には担当医からご説明致します。
③検査当日の流れ
検査当日は朝の食事は与えずにご来院ください。担当医による診察と検査のうえ、検査が可能と判断された場合にはお預かりさせていただいてのCT検査を行います。検査後の動物の体調を判断してお帰りの時間をご連絡させていただきます。